映画 キック・アス 新作映画批評 ヒット・ガール最狂アクションに酔え!! 2010年度映画秘宝ベスト1映画 ネタバレあり

あらすじ(ウィキペディアより)

デイヴ・リゼウスキ(アーロン・ジョンソン)は、コミックのスーパーヒーローに憧れるギーク少年。そんな彼は自分で本物のヒーローになろうと思い、ネットで買ったスーツを着て活動を開始する。しかし、何のスーパーパワーも持たない彼はあっさり暴漢に刺されて車に轢かれ、病院送りとなる。そのときにスーツを隠す目的で裸になった為にゲイ疑惑が沸騰してしまい、それをきっかけに学校一の美少女のケイティ(リンジー・フォンセカ)と接近する。

その後も活動を続る彼は、あるとき見物人から撮影された際に自らをキック・アスと名乗る。動画はやがてYouTubeにアップされて話題を呼び、さらにデイヴはキック・アス名義のMySpaceアカウントを取得する。

ある日、ケイティが麻薬の売人によって悩まされていることを知り、デイヴはキック・アスに連絡するよう助言する。さっそく連絡を受けた彼はその売人が居るアパートに乗り込むのだが、多勢には敵わずピンチ陥る。そこへ自身と同じようにヒーローコスチュームを着たヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)が現れ、瞬く間に売人たちを殺してゆき、さらには彼女の父のビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)も登場する。ダディは、自分を陥れ、妻を自殺に追い込んだフランク・ダミコ率いる犯罪組織を壊滅させるため、娘のミンディに戦闘技術を叩きこんでいたのだ。そして後日、売人たちを全滅させたのはキック・アスであると勘違いしたダミコは部下に彼を殺すよう命じる。

先週から群馬でも上映が開始された映画『キック・アス』。本屋を3軒梯子して手に入れた雑誌映画秘宝3月号の特集“2010年度映画秘宝ランキング”で堂々のベスト1に輝いた作品。アメコミオタクの主人公と元警察官である父親から銃器の扱いを叩きこまれた美少女が世のため人のためコスプレヒーローに扮し、“本物の悪党”と文字通り身体を張った死闘を繰り広げる熱血物語。

物語冒頭。ビルの屋上から飛び降りる大馬鹿コスプレヒーローの着地失敗シーン。唖然。

この6カ月前から物語ははじまる・・・

アメコミマニアでボンクラ高校生デイヴはネット通販で買ったオリジナル コスチュームに身を包み、憧れだった街の治安を守るヒーローとしての活動を開始。しかし、武器や体力もなくコスプレしているだけの彼は、悪事をやめさせるどころか初出動で胸を刺され、通りがかりの車に惹かれ、瀕死の重傷で病院に担ぎこまれるが、正体を隠し全裸で搬送される。そのため彼は“ヒーロー”ではなく“ゲイ”疑惑をかけられてしまう。

前半の展開は笑いが多く、とくに初出動の際のデイヴの“緑色のコンドーム”と揶揄される痛い姿は必見。また片想いの女性ケイティから“ゲイ”の友達が欲しかったと告白される場面は違った意味でせつない。

しかし懲りずにパトロールを続けるデイヴに、偶然にも“ある転機”が訪れる。暴漢に襲われた見ず知らずの他人を助けるため、殴られ蹴られながら彼が勇敢に立ち向かう姿が見物客によりYouTubeに投稿され、ニュース映像として紹介されると彼が発した名前“キック・アス”は一躍街の有名人に。

片想いのケイティを守るため麻薬の売人宅に乗り込んだデイヴは改造スタンガンで抵抗するが多勢に無勢で窮地に陥る。彼を救ったのは若干11歳の美少女ヒット・ガールとニコラス・ゲイジ演じるビッグ・ダディ。彼らは同じコスプレヒーローでも“本物”。とくに、幼少時から銃器の扱いの英才教育を受け、バタフライナイフを巧みに操り、不敵な笑みを浮かべる殺人マシーン ヒットガールの凶暴さは、仮面を脱いだ時のキュートな魅力と相まって、アクションシーンとのギャップが素晴らしい。

後半は、ビッグ・ダディが復讐を誓った映画のラスボス フランク・ダミコの息子クリス・ダミコ(ヒーロー名 レッド・ミスト)の悪知恵にまんまとおびき出されたキック・アス隠れ家Bを奇襲され、レッド・ミストが放った銃弾にヒットガールは倒れ(生きていたけど)、ビッグ・ダディ、キック・アスは悪の権化フランクの手に落ち、彼らは公開処刑されてしまう。間一髪で間に合ったヒットガールの獅子奮迅の活躍でふたりは逃げのびるが、全身火傷によりビッグ・ダディは絶命。ダディとの別離のシーンは、“おやすみ”という声をかけるヒットガールに涙。

父と母を殺されたヒットガールは復讐を誓い二丁拳銃を手に殺人狂気となりフランク一味に立ち向かう。銃弾飛び交う中で展開するどっちが悪者かわからない容赦ない殺しっぷりも大迫力。そして正義のヒーロー キックアスは託された最新兵器をまとい空を飛ぶ。レッド・ミストは悪党2世であるからか、ボンボン上がりで悪になりきっていないのが救い。キックアスを助けてよ!と父親に懇願したり、根はいい奴。今回は親父がフィチャーされていたので出番が少なかったが、続編が制作されれば彼が悪役になるのは確実。どう変貌するのか楽しみだ。

映画『夕陽のガンマン』BGMをバックに敵陣に乗り込むところもイカス!!敵を傷だらけになりながら倒し、朝日を前に本名を交換し合うヒーロー流のお決まりの挨拶や学校生活に戻り幕を下ろすラストシーンまでお約束要素も抜かりなく隙のない演出に拍手。

キック・アス DVD

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