不思議の国のアリス   無限舞台  桐生市有鄰館

昨日サークルの女性陣と小劇団 無限舞台『不思議の国のアリス』の舞台を観劇してきた。劇団☆新幹線とかキャラメルボックスとか、日本を代表する劇団の舞台を群馬から観に行っている僕の辛口コメントをここで披露すると頑張って演じていた演者の皆さんを傷つけてしまうので個人攻撃の感想は書かないが、お金を払っている以上、こうしたらよかったんじゃないかなという大筋に対する意見だけは述べておきたい。

まぁ、小劇団なので人数が少ない、衣装がチープ、椅子に座らせてとか、そういうところは目をつぶるとして、脚本の風呂敷が劇団で表現できるキャパより大きすぎだなぁと感じた。現代劇とファンタジーの要素が上手くかみ合えば面白くなったのでしょうが、それにはセットや衣装をもう少し工夫することが必要。アリス以外は誰がなにを演じているか冒頭から全然わからないのに、それを繰り返しやられても・・・。エピソードのすべてが尻切れトンボ。最初から現代劇としての『不思議の国のアリス』をみせたほうがよかったんじゃないかな。エピソードはてんこ盛りなのですが、ひとつひとつのエピソードにオチがつかないので、観客のフラストレーションだけが溜まっていく。仲良しサークルのようだから、みんなを出演させたいのはわかるけれど、欲張らないで3つのエピソードぐらいに絞ってあげないと。『不思議の国のアリス』の物語を観客が全員知っているとは限らないということを忘れている。

お笑いを目指していた女の子アリスが自分の精神世界に閉じこもって現状を打破するのかと思ったら、また不思議の国へ戻てしまったし。ええええぇ!!! 最後、見ている観客、ポカンとしてた。この舞台のテーマぜんぜんわからなかった。主役の女の子とか演技頑張っていたのに、脚本が大きく空振りしているので、演者を活かしきれていなくてもったいない。普通にお笑いを目指している女の子の現代劇をやったほうがよかったんじゃないか?

失敗の一番の原因は下ネタやギャグが寒すぎ。最初に出てくるつまらない漫才師のふたり組が最後のオチにも出てくるけど、トリオのコンビ解消の話も台詞が滑っていて完全に浮きまくり。もう脚本がずさんでひどかった。メンバーに質問したら、この舞台テーマがないんじゃないですか?!ってメンバーも言っていたし。エンターテイメントだったらテーマがないと2時間以上もたせるのは辛い。下ネタ、ギャグは会場があたたまっているところで言えばドカンと受けるのでしょうが、前振りからしてつまらないので、痛いぐらい滑ってたし。たとえば『彼氏、見に来てるの?』とか、まだ楽屋ネタとかのほうが良かったんじゃないか??

下ネタが多かったが、昨年見た東京劇団フェスとかに出ていた地域密着の劇団はそういうこと一切やっていなかった。品が悪く見えるので次回作から下ネタはやめたほうがいい。若い演者が揃っていたし、台詞の飛びもほとんどなかったので、脚本さえしっかりしていれば、もっと面白いものが作れるはず。これを糧に次回は背伸びし過ぎずに現代劇で観てみたい。小さなカバンに入っていた女の子とか、王様のばかばかしさとかいじれる具材はあったのに、できた料理は食べられるものではなかった。そんな後味の悪さだけが残った。

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