電脳シネマ塾 第5回 『素晴らしき哉、人生』

友あるものは敗残者ではない
翼をありがとう
クラレンス

素晴らしき哉、人生!【淀川長治解説映像付き】 [DVD]

今まで取り上げた映画の中では最も古く1946年に公開された作品。年間数えられないぐらいの映画が制作され公開されている中で、総合映画ランキングの上位にいまだに君臨し続ける観終わった後に元気が出る傑作映画。秀逸なラストーシーンの高潮感が堪らない。故淀川長治総監修の『世界クラシック映画100選集』にも選ばれている。

あらすじ(市販用ＤＶＤパッケージより、一部改訂し引用)

誠意をこめて生きてきたジョージ・ベイリーは、すべてが裏目に出て絶望し、自殺しようと思い詰める。293歳になっても翼をもらえない２級の老天使クラレンスとめぐりあい、天使は彼の人生を振り返って『あなたがいなければこの世はどんなにわびしいか』と彼の人生の意義をみせてあげ、主人公は生きる喜びを取り戻す。ユーモアとペーソスにファンタジーを交え、フランク・キャプラ監督は善意を高らかに謳い上げる。ジェームズ・スチュワートの人間味あふれる演技も天下一品。

時代を感じさせる白黒映画のため、最初は画面になれるのに戸惑う。しかし、物語が進んでいくと次第にジョージ・ヘンリーの逆境でも諦めない生き方に励まされていく自分に気づいていく。それは、とっても心地よい。彼は物語の終盤8000ドルという大金を紛失するという不幸に見舞われ自殺を考えるが、２級天使のクラレンスに命を助けられる。絶望している彼は自棄になり、“自分が生まれてこなければよかった”と思わず口走るが、クレランスに彼が望んだ世界をみせられ愕然とする。彼ひとりがいないことにより、家族や友人たちがみんな不幸な人生を歩んでいたのだ。ジョージは自分の考えが間違っていたことに気づき、この世に不必要な人間などいないことを知る。終盤、いかに他者を裏切らないことが大切か、信頼を得る友情を築いていくことが素晴らしいことか。そのすべての答えはラストシーンに描かれている。ぜひ、あなたの目で確かめていただきたい。

素晴らしき哉、人生！(1946) - goo 映画

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