電脳シネマ塾 第10回『2DAYS IN THE VALLEY トゥー・デイズ』
あらすじ
人生の歯車がかみ合わなくなったとき、結末は誰にも予測できない。ベッキーにとってそれは、殺された前夫の隣で目覚めたとき。テディにとってそれは、落ち目を迎えた映画監督としての人生に幕を下ろそうとしたとき。アランにとってそれは、カツラを着けた怒りっぽいイタリア人の殺し屋に誘拐されたとき。リーとヘルガにとっては、その殺し屋を始末し損ねたとき。そしてヴァリーを巡回中の2人の警官ウェスとアルビンにとっては・・・。何もかもうまくいかない日常から抜け出せなくなっていた時。ヴァリーでの2日間、道に迷った人々が行きつく先は・・・。
殺し屋、元オリンピック選手、映画監督、警官など10人が織りなす群像劇。幾つかの物語が同時進行で進んでいき複雑な物語がやがて“ひとつの物語”を形作っていく。不器用な人生を生きている登場人物たちが、最後愛おしく思えた。映像自体も前のシーンが銃声で終わるとすると後のシーンではタイヤがパンクする場面で繋いだり、DJ風な構成の巧さが心地よい。殺人が絡んだ2日間を描いた物語であるが、決して悲壮感はない。殺し屋が禿げていて、カツラネタを物語のスパイスにしているところもナイスなアイデア。物語はブラックユーモアありサスペンスあり、最後まで飽きずに楽しめる。落ちぶれた映画監督が重要な物語の幕引き役を担ったり、撒いた伏線をきちんと後半で拾っているのも◎。無名時代のシャーリーズ・セロンの美しく整った彫刻のような裸体も拝める。ハッキリとした善と悪の線引きをせず、人生には運命の悪戯もあって然るべきとしている潔さが爽快。物語とは直接関係ないが純日本マッサージ店という風俗営業が疑われている店で働く日系ベトナム人役の女の子が可愛い(ネットで他の人が書いたレビューを読んでいてもみなさん印象に残ったと書かれている。みんな見てるとこ一緒だな、と笑)。
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