公開初日映画批評 テリー・ギリアム×ヒース・レジャー 映画『Dr.パルナサスの鏡』 最速レビュー ネタバレあり

poster UK The Imaginarium of Doctor Parnassus

あらすじ ウィキペディアより

世紀前に悪魔との賭けにより不死の命を手に入れたパルナサス博士は、自分の娘を16歳の誕生日に悪魔に引き渡さねばならなくなり、苦悩していた。彼は自身の率いる、他人の想像の世界を垣間見る鏡の見世物を巡り、パーシーら古くからの仲間とともに興行を続けながら、何とか悪魔との賭けに勝利する手立てを画策していた。そんな折、博士はタロット占いの「吊られた男」のカードが示した、橋の上から吊るされた若者トニーを死から救う。助けられたトニーは商才を発揮して見世物を繁盛させ、博士の助けとなるが、悪魔との賭けのタイムリミットは目前に迫っていた。

Filme: O mundo imaginário do Dr. Parnassus

Filme: O mundo imaginário do Dr. Parnassus

鬼才テリー・ギリアムが放つアクの強い大人向けの童話。
バットマンシリーズの中でも他の作品とは一線を画す大傑作『ダークナイト』でジョーカーを演じていたヒース・レジャーの遺作でもある。

イギリス ロンドンを舞台にインチキくさい旅芸人一座を巡る奇想天外な物語が展開。不死の命と引き換えに16歳の娘を悪魔に渡す約束をした推定年齢1000歳以上のパルナサス博士が物語の元凶。それだけ長寿をまっとうしていれば知恵もつきそうだが、憎めない悪魔のニックと頭の悪い取引を交わしては酒びたり。

彼の想像(瞑想)する世界は、一座が所有するレトロな舞台セットの鏡を通じて現実世界と通じており、鏡の中はおもちゃ箱をひっくり返したようなティム・バートン映画の世界が広がっている。正直、このあと公開が控える『アリス・イン・ザ・ワンダーランド』と映像がダブル。

亡くなったヒースが演じていたのはタロットカードに描かれた“吊るされた男”。橋の下に逆さまに吊るされている姿で登場。彼の表の顔は慈善事業に取り組む優男だが裏では第三世界の子供たちの臓器を売り渡す仲介業を営んでおり
物語後半では本性がバレ、立ち回りを演じる。この人物は振り幅大きく描かれているが撮影後半でヒースが他界したため友人のコリン・ファレル、ジョード・ロウ、ジョニー・デップが入れ替わり立ち替わり演じており見ているほうの意識が混乱(錯乱)するのが残念。

映像の面白さだけで最後まで退屈せずに楽しめるが、物語の最後で旅芸人から紙芝居屋に転職したパルナサス博士と小人のパーシーの会話がせつない。わたしたちの人生はYESかNOか、右か左かといった具合に、常に2捨選択を迫られながら進んでいる。

娘のヴァレンティナと曲芸師のアントンは自分たちの意思で幸せをつかんだのだからビターな感情も湧き上がるバッドエンドでありながら、グッドエンドなのだな。ギリアムファンであれば、観ておいて損はない映画。時間をおいてもう一度見直してみたい。エンディングの音楽が軽快で、作品を反芻でき、とってもよかった。

オリジナル・サウンドトラック『Dr.パルナサスの鏡』オリジナル・サウンドトラック『Dr.パルナサスの鏡』
(2010/02/11)
ジェフ&マイケル・ダナ(音楽)

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Dr.パルナサスの鏡 - goo 映画
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