君の心臓の鼓動が聞こえる場所 SKIPシティ

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埼玉県川口市で開催されたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にソロ活動で出かけてきたので報告。演劇集団キャラメルボックスの2008年12月クリスマス上演をデジタルシネマ化した『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』を観賞。配給会社はソニー。お客さんは舞台の映画化に馴染みがないのか満席とはいなかったが、女性中心にたくさん観に来ていた。舞台挨拶もあり、原作、演出の成井豊氏、女優の大森美紀子嬢、映像監督の佐藤克則氏の3名の話が聞けて得しました。早稲田大学の演劇サークルから出発したキャラメルボックス(現在34名在籍)の裏話を聞けて面白かった。

あらすじ

テレビの脚本家・根室典彦は40歳を過ぎたバツイチ独身。離婚した妻と娘は札幌に住んでいた。クリスマスを控えたある日、突然、娘のいぶきが訪ねてくる。別れた時5歳だった娘は19歳になっていた。

さてここからが本編の感想。

黒川智花

前回の劇団☆新幹線に続き、デジタル映画になった舞台を観るのは2度目。テーマは、父 根室と娘 いぶきの14年ぶりの再会を軸に、クリスマスイブの一夜を素敵な家族愛がやさしく包んでいく。田村正和主演のテレビドラマ『パパはニュースキャスター』が大好きなので、この路線は弱い。

後半に物語が進むにつれてグイグイ引き込まれて、気づいたら涙腺が決壊して頬から涙がポタリ、ポタリ。127分の映画で、3回は泣きました。黒川智花ちゃんの演技が素晴らしくて、『お父さん!』て呼びかけるシーンが何回も出てくるのですが、台詞ごとに表現を変えて、丁寧に演技していて上手いなぁと思いました。

若くして吸い込まれるほど綺麗な眼をした女優なので、画面でもかわいい表情が映える。だから、よけいに後半のシリアスな場面でのせつない演技や感情をぶつけるシーンが引き立つ。僕は男性と男性に挟まれて観賞していたので、泣いてる姿を隠すのに必死。油断していた『パコと魔法の絵本』でも涙腺が決壊しましたが、それに匹敵するぐらい笑ったし泣いたし感動した。

ここから本当のネタバレ。実はこの物語、後半に行くに従い推理する要素が加わっていく。札幌で離れて暮らしていた娘いぶきがはじめは純粋に父親に会いにきた、という導入部ではじまるが、彼女が小説を書き上げており出版社に持ち込んで本にしたいと言い出す。ここまではよくある話かもしれないが、そのあとが急展開。

いぶきの小説は友人が書いたもので、いぶきも実は本人ではないかも?!という驚きに満ちた展開に・・・。

実はいぶきは札幌で入院し昏睡状態。死期が迫っているため、友人の体を借りて、父親に大人になったら会いに行くという約束を守るため、7つのプレゼントを用意して会いに来ていた。タイトルになった“君の心臓の鼓動が聞こえる場所”、劇中で語られるのを書けば、娘のいぶきが子供のころ公園でやっていた鬼ごっこの思い出から来ている。彼女は鬼から逃げる際に逃げ切れないと思うと死んだふりをよくした。そんなとき父親の根室は決まって心臓の音を聞いてくすぐったから。

ベストシーンは、最後の飛行機の中でいぶきが再びあらわれて『お父さん・・・』って言うシーン、涙が出てとまらなかった。余談だが広末涼子主演の映画で母親が娘の体を借りた『秘密』ってあったが、あれもよかった。

君の心臓の鼓動が聞こえる場所

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