アリス・イン・ワンダーランド 3D版(XPAND方式) 群馬映画研究会 新作映画批評 ネタバレあり

Tim Burton - Alice in Wonderland

妻の瑠沙とジョニー・デップが出演している映画『アリス・イン・ワンダーランドあらすじ』をMOVIX伊勢崎でひと足早く見てきました。MOVIX伊勢崎では本日から3D映画の上映に対応。XPAND方式の3D眼鏡をかけて観賞しました。前回『アバター』をシネマサンシャイン池袋で観賞した時より眼鏡が重く感じたのですが、これは構造上の問題でしょうか・・・。瑠沙が字幕版を希望したので、館内は日本語版に流れた子連れは少なかったのですが、老若男女問わず観客も上々の入り。

Tim Burton Alice In Wonderland Movie Standee Billboard 3275

あらすじ(ウィキペディアより)

不思議の国の冒険から13年後。19歳に成長したアリスは、母親に勧められ富豪たちが集まる席で婚約を発表することになっていたが、彼女は自分にはまだ早すぎると半ば困惑していた。そんな時彼女の前に白ウサギが現れ、彼を追いかけ穴に落ちた彼女は再び不思議の世界へ飛び込むことになる。しかし、そこは赤の女王に支配された世界で…。

 
Alice in Wonderland Red Queen Movie Poster Helena Bonham Carter

アクの強いティム・バートン監督作品らしく、一度見たら忘れられないキャラクター造形、色調が派手でギミック満載の画面など目もくらむ映像に仕上がっていた今回の映画。全体的に3Dを意識したサービス過剰の演出(物が画面から飛び出してくるようなシーンや飛翔シーンがやたら長い)が裏目に出ていて、不思議の国のアリス鏡の国のアリスの内容を理解していない身には3Dでなく2Dのほうが落ち着いて観賞できた感は否めない。

一番残念だったのは、主人公のアリスが子供の頃に経験してトラウマとなっているはずの“不思議の国の冒険”をまったく忘れてしまっているという設定。映画『20世紀少年』の設定を彷彿とさせ笑った。むしろ原作でも夢オチで記憶は消去されているのかな?。そんなのは100歩譲って些細なことと見ても、この映画最大の致命的なミスがあった。それは最後にアリスが戦士として戦わざるを得なくなる必然性や動機づけ。アブソレイユ(青い芋虫)との会話で戦う決意を固めたように描かれているがこのシーン辻褄合わせに見えてしまい、全体にみると単純に預言書に現れるからという理由だけしか印象に残らない。赤の女王が恋人や権力を失っていく過程と比べると主人公アリスの描き方が表面的で中途半端。せっかく19歳という年齢設定にしておきながら、ジョニー演じるマットハンター(帽子屋)に恋するわけでもなく、大人への成長過程がさっぱり描かれていない気がした。

期待値が高く3D料金余分に取られている(大人2100円)だけに、鑑賞後裏切られた気持ちが強い。