『運命のボタン』 群馬映画研究会 新作映画批評 ネタバレあり

The Box movie poster

あらすじ(ウィキペディア)

ある日の明け方、ノーマとアーサー夫妻のもとに箱が届く。箱の中には赤いボタン付きの装置が入っていた。その日の夕方、スチュワードと名乗る謎の人物がノーマを訪ね、驚くべき提案を持ちかける。『このボタンを押せば、あなたは100万ドル(約1億円)を受け取る。ただしこの世界のどこかで、あなたの知らない誰かが死ぬ。提案を受けるかどうか、期限は24時間。どうしますか?』ふたりは迷うが、目の前に1億円を見せられ生活が苦しいこともあり、結局ボタンを押してしまう。だが、それは想像をはるかに超える事態の始まりに過ぎなかった。果たして、ふたりの運命の行方は?!

運命のボタン』(The Box)は、2009年のアメリカ映画。リチャード・マシスンの短編小説『死を招くボタン・ゲーム(Button, Button)』を映画化。

僕の映画『運命のボタン』に対しての観賞前スタンスは最悪でした。公開前に配布されていたフライヤーを見た時点では、日本のバラエティ番組の1コーナーの様な単純な設定とベタなあらすじ(ボタンを押せば1億円(100万ドル)、ただし見知らぬ誰かが死ぬ。決断の起源は24時間。あなたなら押す?押さない?)で、興味が全然わかなかった。

しかし、前田有一氏が『超映画批評』でおすすめ映画にあげていた批評を読み、俄然興味が沸き劇場に足を運んできた。

映画全体を通じても『私の中のあなた』で再評価した女優キャメロン・ディアスの演技が印象深く、最後まで緊張が続いて面白かった。むしろ日本公開時のタイトルを映画宣伝会社はもう少し頭を使って考えたほうがいいと思った。

日常ご飯ばっかり続く食事をしていると、パンが無性に食べたくなるように、とにかくぶっ飛んだ物語が見たい人におすすめしたい一本。映画は安っぽいタイトルとは裏腹に、ノーマとアーサーの夫婦は心の誘惑に負けて1億円という大金を手にすることで人生における究極の選択を次々と迫られ、最後には思いもかけない悲劇を呼びこんでしまう。結構考えさせられるアンハッピー映画。

大きな嘘を1つ吐くことによってオカルト、SF要素まで手を広げ行く大風呂敷の広げ方が圧巻で気持ちはいい。それと引き換えに物語の展開が強引なので、伏線の回収が出来ていないところも多々。

謎の男スチュワートとNASAの火星探査との因果関係(説明はあるが1度見ただけではよく理解できない)、運命のボタンの仕組み、スチュワートに憑依される“従業員”と呼ばれる彼ら彼女らの運命など。あとから思い返すと駆け足で説明不足だったよなぁ・・・というシーンはいっぱいある。尺のせいなのか、重要な部分はすべて会話で説明させて、映像で見せていないのも気になる。

女優キャメロン・ディアスの確かな演技があるから、嘘も本当に思えてくるが、最後主人公ノーマは子供のため旦那に撃ち殺されてしまうので思わず隣で鑑賞中の瑠沙と手を握り合い“えっーーー!!!”と驚いた。普通、奥さん殺すのかな・・・。殺さなくても3人で生きていけるのに。鑑賞後も、もやもやした気分で瑠沙と結末について討論してしまった。そういう意味で、見た後に誰かと語り合いたい映画ではありました。

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運命のボタン公式サイト

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